みなさんこんにちはアネスト岩田圧縮機部のUNAです。
早いもので2010年も終わりを迎えようとしています。今年もいろいろなことがありました。普天間問題、W杯での全日本健闘、はやぶさ帰還、尖閣諸島問題…、数え上げたらキリがありませんがみなさんはどんな一年でしたでしょうか?
私自身の一番の思い出としては夏に行った富士登山でしょうか。毎年登ってはいるのですが今年の登山は天候にも恵まれ素晴らしい御来光を拝むことが出来ました。

さて富士山の標高はみなさんもご存知3776m。山頂の環境はというと、年間平均-6.4℃と北極圏並みの気温で、空気も地上の3分の2ほどしかありません。
このような過酷な環境下でコンプレッサを使用するとどのようになるでしょうか?
地上で使用する場合とで比較してみましょう。
まずは気温。前述したように年間平均で氷点下となり、コンプレッサの取扱説明書やアネスト岩田のホームページに記載されているように0℃以下での使用は、ドレンの凍結により圧縮機各部に作動不良が発生する原因となりますのでそのまま使用することは出来ません。
さらに問題なのは圧力。一般的に気圧は標高が1000m上がると100hPa下がると言われていますので地上の大気圧をPa、山頂の大気圧をPa’とすると、
地上の場合:Pa=1013hPa(a)=0.1013MPa(a)
山頂の場合:Pa’=Pa-100×3.776=635hPa(a)=0.0635MPa(a)
コンプレッサに表示される圧力はゲージ圧ですから、コンプレッサが最高圧0.8MPa(G)を表示している時の実際の吐出圧力Po、Po’は、
地上の場合:Po=0.1013+0.8=0.9013MPa(a)
山頂の場合:Po’=0.0635+0.8=0.8635MPa(a)
と当然山頂の方が低い圧力となります。また圧力が下がるだけでなく圧力比Pr、Pr’も、
地上の場合:Pr=Po/Pa=0.9013/0.1013=8.895
山頂の場合:Pr’=Po’/Pa’=0.8635/0.0635=13.586
と差圧は同じ0.8MPaでも圧力比は大きく変わってしまいます。
コンプレッサによる空気の圧縮はポリトロープ変化を基本としていますからこの時の理論上の吐出空気の温度T、T’は、吸気温度Taを20℃、ポリトロープ指数nを1.4をとすると、
地上の場合:T=Pr^(1-1/n)×(Ta+273)-273=8.895^(1-1/1.4)×(20+273)-273≒274℃
山頂の場合:T’=Pr’^(1-1/n)×(Ta+273)-273=13.586^(1-1/1.4)×(20+273)-273≒344℃
と70℃もの差が生じてしまいます。ここまで温度が上昇してしまいますと熱膨張による内部接触、軸受に使用されているグリスの寿命低下など様々な問題を引き起こします。
以上のことから残念ながら山頂でコンプレッサをそのまま使用すると故障、破損の原因になるということになります。
富士山頂のような過酷な環境は極端な例ですが、もしみなさんが特別な環境下でコンプレッサをご使用になりたい場合はお気軽に当社支店、営業所にご相談下さい。
今回でこのClean Airブログも2010年最後の更新となります。
また来年この場でお会いしましょう。
それではよいお年を!
2011年がみなさんにとってよい年になりますように…


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